ごきげんよう
龍宮本(田愉 著)2024/2/9
まだ、先生がご存命の時に描きました『龍宮本』のある1ページです。シャボン玉の部屋です。
詩人の野口雨情が「しゃぼん玉」の詩を発表、翌年、中山晋平が曲をつけて出来た可愛らしい童謡がありますよね。実はこのしゃぼん玉の童謡は雨情の長女が生後8日目になくなった悲しみをうたったもので、長女の13回忌に書かれたものと合田道人氏はまとめられています。
シャボン玉とんだ やねまでとんだ やねまでとんで こわれてきえた
シャボン玉きえた とばすにきえた うまれてすぐに こわれてきえた
かぜかぜふくな しゃぼんだまとばそ
たとえ屋根まで飛んでも壊れて消えた命も多かった時代でしょう、死なせてしまった後悔や苦悩、我が子に限らず多くの幼い子供たちが亡くなっていく、そんな世相にいたたまれない鎮魂歌だったとも合田氏は語られています。屋根まで届かないうちに命がまた一つ消えてしまうので風よ吹かないで欲しいと、切ない親の思いを表したこの歌は、1923年9月1日関東大震災の年に生まれました。
命の儚さ、尊さが沢山詰まった鎮魂歌がこんなに可愛くメロディ🎵に乗って歌われ続けている事は、命の真髄を無駄なく表している素晴らしい心にあるのでしょう。能登の震災で屋根を越えて空まで飛んでいたはずの子供達犠牲者のご冥福をいのります。 2024/2/9 !by tayu