つぶやき by Tayu

つぶやき

ごきげんよう

秋の木漏れ日 東西明王堂 2023/10/31

恵那の里は朝晩は冷え込みもあり、すでに暖房をお使いのようでした。明王堂を後にする時、柿の木の木漏れ日が明王堂に映り、大変身体の奥まで喜んでいる、そんな気がしましてご機嫌であります。明王堂の周囲の雑草等をお掃除下さっていますお若い方に出会いました。彼は心も肌も透け感が一際飛び抜け瞳の奥も美しく、又、合掌なさる両手が魅かれる青年だと同席の御方が仰っていました。私もそのように感じて、彼のような透け感の美しい人間になりたいものだと尽くづく感じ入りました。素朴さ・純真さが溢れる御人にお掃除をしていただき、お手配に感謝しかございません。恵那日龍不動明王様は相応しい御人をお探しになられたのでしょうね。


10月神無月も晦日となりました。各地の4年ぶりの待ちに待った秋祭りも終わりのようです。氏神様の考えの定着に付きましてですが、江戸時代になって、年貢徴収の為、米作りが幕藩体制の大前提となり、人々は定住を余儀なくされました。そのような経過の中で村人が豊作祈願をする場所として『一村一鎮守』の考えが起こり、旧来の神々や村落共同体の共同神を合わせて、大きく村としての『氏神』を祀るようになったという説を、私は今でも、そうであろうと考えております。別の角度から見ますと、神社の所有する『氏子帳』は戸籍管理上便利ですし、年貢も取れ高を計ることが出来ます。村人の純真な米作りと藩としての年貢徴収の計算は表裏一体のワンセットでその仕組みは、400年後となります今も根本は変わらず存在していることを切に思います。


因みに産土神はその土地に生れた人々をつなぐ土地神でありますが、言い換えますと地縁神と言う意味にも受け取れまして『本居 所生 産性』と書いていずれもウブスナと読ませたという古い文献もあるようです。民俗学者 柳田國男氏は『産神によって育まれた命を産土神に守護してもらう』と説かれております。


先生はこれからの新しい時代は、見えるものも大事・見えないものこそもっと大事と説かれています。紅に染まる山々の中を『見えないものに寄り添って』訪ね歩くには、絶好の季節だと思います。今月の無事を有り難く存じます。   2023/10/31  by tayu