ごきげんよう
五島列島 鬼岳より 2024/8/14
特攻隊員 大石清伍長「妹への手紙」
大阪出身の大石清伍長は大阪大空襲で父を亡くし続いて重病だった母を亡くす。18歳の大石清伍長には小学生の妹静ちゃんがいた。自身の出征が決まると近縁の伯父夫婦に静ちゃんを託した。遠く離れた地で暮らす可愛い妹に宛てた手紙。
静ちゃん お便りありがとう。何べんも何べんも読みました。
お送りしたお金、こんなに喜んでもらえるとは思いませんでした。
神棚などに供えなくてもよいから、必要なものは何でも買って、つかって下さい。
兄ちゃんの給料はうんとありますし、隊にいるとお金を使うこともありませんから
これからも静ちゃんのサイフが空っぽにならない様、毎月送ります。
では元気で、おじさん、おばさんによろしく。
そして大石清伍長の特攻の日、妹に宛てた遺書を仲間に託し、この世に別れを告げ、空に散っていった。
なつかしい静ちゃん❗️おわかれの時がきました。
兄ちゃんはいよいよ出げきします。この手紙がとどくころは、沖なわの海に散っています。
思いがけない父、母の死で、幼い静ちゃんを一人のこしていくのは、とてもかなしいのですが、ゆるして下さい。
兄ちゃんのかたみとして静ちゃんの名であずけていたゆうびん通帳とハンコ、これは静ちゃんが女学校に上がるときにつかって下さい。
時計と軍刀も送ります。これも木下のおじさんにたのんで、売ってお金にかえなさい。
兄ちゃんのかたみなどより、こらからの静ちゃんの人生のほうが大じなのです。
もうプロペラがまわっています。さあ、出げきです。では兄ちゃんは征きます。
泣くなよ静ちゃん、がんばれ❗️
昭和20年4月12日の文面