ごきげんよう
木陰を求めて石段に座る
人生において「一番大切なことは何か」と問われれば、人によって答えはそれぞれ様々でしょう。健康である事、家族の事、仕事、夢…。確かにどれも大切です。なんと言っても健康は一番大事です。しかし、それらの根底を支えるのは『人との関わり、中でも敬意と信頼を築き、学び合える関係を持つこと、そして自らを導いてくれる「師」との出会い』この『縁』こそ、人生を最大に豊かにするエレメントだと考えます、
敬意は一方的なものではなく、敬意を続け合うその先には、互いの心に響き合うという至宝に出会えます。少しずつの積み重ねにより、相手を尊重する感性、やがて信頼へと結びつきます。なので、信頼は、一朝一夕では得られないもので、だからこそ、困難に直面した時に支えとなったり、また挑戦の場での勇気となったりして広がっていくものです。信頼を得る事は、言葉だけでなく日々の行動、行動や言葉の中身に見られる誠実さも問われます。結果、何より見えない財産となり、将来未来への幸せ切符に値すると思います。
さらに人は、単独では大きな知識も知恵も築けません。知識集団、志を同じくする仲間との出会いは、自分一人では到底届かない高みに押し上げてくれる力となります。議論や学び合いを通じて、自らの視野が広がり、長年気づかなかった事の世界の奥行きを知る事もできそうです。そのような縁は偶然のように見えて、実は日頃の姿勢や努力が呼び込む必然でもあると考えます。
そして何より、「師」との出会いは人生を決定づけます。師とは、単なる知識の伝達者ではありません。生き方を背中で見せ、時に厳しく、時に温かく、人生の方向を教え照らしてくれる存在です。人生を通して学びを与えてくれる人、その師から学ぶのは技術や知識以上に、「どう生きるか」を示して下さる姿勢そのもの。真の師との縁は、自分の道標、人生の羅針盤を得ることに等しいでしょう。私はその通りの『師』と出会いました。
人生で一番大切なこと――それは目に見えない「縁」をいかに大切にできるかに尽きると思います。敬意をもって人と関わり、信頼を築き、知識集団と共に歩み知恵に変え更に智慧に変え、そして師との出会いによる学びを続けるその積み重ねが、かけがえのない人生を形づくっていくのだと思います。
まだ、暑いくらいの陽だまりをそっと避けて、神社の石段で神風を頂きながらの娘夫婦のひと休み、良き光景だと感じます。2025/10/1 by tayu